中小企業のDXはどのように達成できるのか?という最近の悩み

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近頃、DXに関する相談や案件を頂くことが増えました。一つの例としては、J-Net21 のビジネスQ&Aへの寄稿ですが、これをきっかけにDXについて最近色々と考えています。まだ纏まった整理はできていませんが、思考を整理するためのも記事をちょっと書いてみようと思い立ちました。

本記事のまとめ

  • 中小企業がDX(本来の趣旨で)を達成することは困難。まずは流れに飲み込まれないように準備しておくことが重要か
  • 大企業を中心に進むDXと中小企業のDXは本質的に異なる。大企業のDX事例を鵜呑みにしてはいけない

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DX(デジタルトランスフォーメーション)と中小企業と

まずはDXの定義をおさらい

DXという言葉は、2004年にスウェーデンの教授が提唱したことが始まりとされています。この時の定義は、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるというものでした。この内容は「トランスフォーメーション」という言葉を素直に受け取れば、特に違和感が無く受け入れられますね。

続いて、2018年に経済産業省が策定したDX推進ガイドラインでも引用された、IT専門調査会社「IDC Japan」が次の通りに定義した内容です。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

ちょっと解釈が難しい部分もありますが、まあ理解できるでしょう。ポイントは、破壊的変革であってITによる業務改善・効率化を指しているわけでは無いということですね。

定義を踏まえて、中小企業のDXを考えてみる

定義を念頭に置いて考えると、中小企業がDXを推進することはかなりハードルが高いと言えるでしょう。中小企業は一般的にそもそもIT化が遅れており、電話やFAX、紙によるやり取りが普通に運用されている世界です。その中で、デジタルシフトだのビジネスモデルの変革だのを訴求しても、前提段階すらクリアしていないという状況ですね。

つまり、中小企業でDXが実現できるのは、大企業を睨む中堅規模の体制がある程度整っている企業か、IT系のスタートアップ企業ぐらいではないでしょうか。大半の中小企業は、まずは業務のIT化から進めましょう、という判断に落ち着くと思います。

中小企業のDXの進め方は?

中小企業がDXを推進するに対して、重要となる段階の考え方を紹介します。

1
現状分析・IT活用段階の把握

まずは、どの程度自社がITを活用できているのか、ベンチマーク企業を定めて比較検討し、情報を集めましょう

2
経営課題の認識・あるべき姿の設定

ITシステムを慌てて導入しても失敗する可能性が高いでしょう。まずはあるべき姿を定め、経営課題を認識・共有しましょう。一方で、価格が低いクラウドサービスであればとりあえずやってみる、という手段もありです。

3
DXのための準備段階として、業務のデジタル化を推進

DXを実現するには、前段として業務の適切なデジタル化・IT化が必要です。

4
既存業務×デジタル技術 の未来を見定める

特に先行事例や海外事例を情報収集し、自社が所属する業界や技術領域がデジタル技術によってどのように変革を生じ得るか、の情報を集めましょう。

私の感覚では、中小企業がDXの急先鋒になることは大抵の場合難しいと考えています。

前提となるデジタル技術に疎く、基幹システムすら導入されていないケースも多い中小企業は、大企業を中心に進むデジタライゼーションの変革の波にうまく乗ることが重要でしょう。そのため、波乗りの資格を得るために、まずはIT化・IT活用を進めていくことが準備となります。


中小企業とDXのもろもろの所感まとめ

最近、DXについての相談が増えています。DXといっても「それ、単なるIT活用だよね」と内心思うことも多いのですが、IT化であっても中小企業にとっては大きなステップにもなり得るでしょう。なので、言葉には深くこだわらずにサポートするのでも良いのか?とも考えています。

一方で、ひと昔前の「AI」のように、DXが営業文句として独り歩きしているなぁと感じることもあります。

本来の意味のDXは、大企業が推進できるような、ビジネスの変革をデジタル技術で起こすことを指しています。耳障りの良い営業の「DXやりましょう!」に喰いついて、相場よりも高い単価で単なるIT化を進めていた、とならないように、注意してくださいね。RPAとかのツールを単に使うことが、付加価値を生むDXではありませんので。

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