小規模事業者持続化補助金とは?申請前に知っておくべき事項を徹底解説【令和2年:2020年】

2020年2月16日小規模事業者持続化補助金小規模事業者持続化補助金,補助金,補助金2020,補助金申請

(2020/3/12 追記)
2020年3月10日に公募が開始され、公募要領が公開されました。
本記事は、それに合わせて一部加筆修正を行っております。

(2020/4/29 追記)
小規模事業者持続化補助金の特別枠については、専用の記事に変更点をまとめています。
こちらの記事と合わせてご覧ください。
https://rmcblog.tency.co.jp/jizokuka-hojyokin-tokubetsuwaku-2020/

これまでで最も人気があり、申請の相談も多かった補助金「小規模事業者持続化補助金」。幅広い経費が対象となり、申請のハードルも低い、小さい事業者の強い味方です。

この記事は、小規模事業者持続化補助金について徹底解説し、疑問や悩みを解決します。

  • 補助金に興味があるけど良く分からない
  • 小さい会社や個人事業でも使える補助金があると聞いたけど、詳しく知りたい

注意点

本内容は、2020年(令和2年)の持続化補助金の公募開始前に執筆しました。
2019年の公募要領基準での記載となるため、2020年では変わる可能性があります。

目次

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小規模事業者持続化補助金を活用すると、何が変わる?

「売上が上がる」「販路開拓に繋がる」「生産性向上につながる」取り組みを実施する際にかかる費用の一部が補助されます。

例)ホームページのリニューアルを60万円で実施した場合、40万円が補助される

小規模事業者持続化補助金では、標準的な補助額と補助率は以下となっています。

  • 補助額:上限50万円(100万円の上限引き上げ措置がある場合もある)
  • 補助率:2/3(投資額の2/3が補助される)

つまり、補助経費の2/3 もしくは50万円の小さい方の金額が補助されます。

例)
経費が72万円の場合、48万円
経費が50万円の場合、50万円

最大でも50万円の補助では、余り経営に対して効果は大きくないのでは?と考える方もいるかもしれません。ですが、補助金活用のポイントは利益が50万円増えることです。(補助金は雑所得に計上されます)

ここで、質問です。
皆さまの事業の営業利益率はいくらか、すぐに答えられますか?

世の基準として、営業利益率が10%を超えていれば優良経営であると言われます。
営業利益率が10%と仮置きすると、補助金50万円の効果は売上高500万円に相当します。

500万の売り上げに相当する、と聞くと、大きなインパクトと感じられませんか?
ぜひ、ご自身の事業の営業利益率を確認して、補助金がどの程度影響を与えるか計算してみてくださいね。

(2020/3/12 追記)
2020年の小規模事業者持続化補助金では、特定創業支援事業の認定を受けることで100万円への上限の引き上げが可能となります。東京都23区については、こちらの記事で随時更新していきます。

小規模事業者持続化補助金を申請できる企業/個人事業主は?

効果のほどを感じられたら、自社が申請できるか確認しましょう。
この補助金を申請するにあたっては、一定の条件(従業員の人数、ほか)を満たすことが必要です。

この条件は2019年公募の内容基準です。最新の公募においては変わる可能性があります。最新の公募要領が公開され次第、こちらに記載の内容も更新します。

小規模事業者の定義に当てはまること

小規模事業者の定義は、小規模事業者支援法に準ずるものです。

業種 常時使用する従業員の数
宿泊業・娯楽業
製造業その他
20人以下
卸売業・小売業・サービス業
(宿泊業・娯楽業を除く)
5人以下

こちらの判断には以下のポイントがあります。

注意点その① 「製造業その他」の位置づけ

業種分類は、事業の実態に即して判断されます。また、複数の事業に当てはまる場合は製造業その他として判断されます。

例えば飲食店であっても、流通性のあるお弁当などを製造している場合は製造業と分類されます。

実情として判断に悩むケースが多くあるでしょう。
判断に悩む場合は、商工会議所/商工会に相談し、判断を委ねることが推奨されます。

注意点その② 「常時」雇用の基準

以下の場合は、常時雇用の従業員にカウントされません。
・個人事業主本人、及び、同居する親族従業員
・会社役員(実質的に従業員ではない/従業員兼務ではない)
・休業/休職中
・パートタイム労働者(社会保険労務士もしくは商工会議所/商工会に相談すると確実でしょう)

申請時点で、開業済み(創業済み)であること

個人事業主ならば、申請前の日付が開業日となっている開業届を提出済みであることが必要です。法人ならば、履歴全部事項証明書に記載の設立の日が基準となります。

実際には、公募が始まってから開業届を提出しても間に合います。
(基準が「書類提出の日以前」のため)

開業届を出すことで失業保険に対する影響もあるので、補助金の申請との兼ね合いで判断するといいでしょう。

申請可能な組織形態であること

特に間違いやすいポイントは、一般社団法人やNPO法人、医者、歯科医師は対象にならない(2019年の公募要領基準)点です。
NPOや歯科医師が対象となる補助金もあるので、対象者かどうかは毎回チェックするようにしましょう。

補助対象となり得る者 補助対象とならない者
株式会社、合同会社、合資会社、合名会社
特例有限会社
医師、歯科医師、助産師
企業組合・協業組合 協同組合等の組合(右記を除く)
個人事業主 一般社団法人、公益社団法人
一般財団法人、公益財団法人
医療法人、宗教法人
NPO法人
学校法人、農事組合法人
系統出荷のみの個人農業者
社会福祉法人
任意団体

補助金の交付を受けるものとして不適当な者でないこと

  • 暴力団等に関与があるもの
  • パチンコ等、射幸心をそそる恐れがあるもの
  • 公序良俗に反するもの

は、対象となりません。

(スマホゲーのガチャは射幸心をそそるからアウトなんじゃないか…と気になりますが、どうなんでしょうね)


小規模事業者持続化補助金の補助対象者は幅広い

数多ある補助金の中でも、補助対象者が幅広いことから小規模事業者持続化補助金は使い勝手が良い補助金の代表例です。

前述の通り、従業員の要件さえ満たせば殆どの事業者は申請可能です。
さらには、補助対象となる経費の幅も広く、事業活動を行うにあたって補助対象の支出は多くの場合、既に計画上存在しているでしょう。

そこで、ここからは申請の経費について詳しく解説していきます。

小規模事業者持続化補助金の対象にならない経費とは?

「売上が上がる」「販路開拓に繋がる」「生産性向上につながる」取り組みであれば、経費となり得ます。そのため、補助対象となる経費も幅広く計上可能で、大抵の会社ならば支出の予定があることが多いでしょう。

よく聞かれる、経費の対象にならない例

ただし、基本的な対象外経費の基準としては、以下のものは対象になりません。

目的外での用途が可能な汎用的なもの

  • PC、プリンター、他、汎用的な事務機器類
  • 移動販売車、他、車両関係(農業用機器を除く)

これらは、基本的にほとんどの補助金で経費の対象とすることはできません。
パソコンを買うのに補助が下りたら、そりゃ嬉しいですがね…。

明確に売上拡大、販路開拓に繋がる直接的な効果が分かりにくいもの

  • 会社案内や名刺のデザイン費用や印刷費、SEO対策費など
  • 人件費や事務所家賃

会社案内がNGであることは、結構見落としやすいポイントです。
一方で売り上げに直結すると考えられるサービス案内資料はOK(機能や価格が掲載されていること)なので、判断に迷う部分ですね。

個々の事例については、14の経費目に分かれていますので、そちらを基準に解説します。

<2019年との違い>
経費目は13種類となり、車両購入費が無くなりました
ですが、一部の車両については引き続き①機械装置費に計上することが可能です。

小規模事業者持続化補助金の対象になる経費とならない経費を具体的に紹介

小規模事業者持続化補助金では、経費の種類に応じて14種の経費目に分かれています。
それぞれの支出がどの経費に該当するか判断し、個別に報告を実施する必要があります。

計画時と金額に変動が生じた場合、費目を跨ぐとややこしいことになる可能性があるので、計画立案時にしっかりと確認しましょう。

①機械装置費等

商品の製造機械(飲食店におけるオーブンや業務用冷蔵庫など)や、備品類はこちらの費目にあたります。
特に判断に迷う経費を中心に、以下に例を紹介します。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
ブルドーザー、パワーショベルなど
自走式作業用機械設備
自動車、自転車、船舶、事務用品
製造、試作機械(3Dプリンター等を含む)パソコン、プリンター、タブレット等
販路開拓に繋がる特定業務用ソフトウエア
業務効率化に繋がるソフトウエア
一般事務ソフトウエア、導入済みソフトの更新費用
単なる取り換え更新の費用、撤去、廃棄費用

特に、建機類車両が補助の対象となったことは最近(2019年から)の変化ですので、注意が必要です。

注意点

機械・器具類は、新品を買うか中古品を買うか、で、報告時の運用が変わります
中古の場合は相見積もり必須新品は税込100万超のみ)
中古は税抜き50万円未満まで
忘れやすいポイントなので、注意が必要です。

②広報費

本補助金で、最も選択する事例が多い費目です。定番のホームページやチラシデザイン等、多くの経費がこちらに該当します。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
サービス案内資料、DM、カタログ等会社案内資料、名刺デザイン
HP制作・更新費用、ネット広告費用SEO対策費
ノベルティ(商品やサービスの宣伝に繋がる)ノベルティ(商品やサービスの宣伝に繋がらない)
試供品(販売用商品と同じ)

基本的な判断基準としては、

  • 会社や事業者自体の宣伝は対象経費にならない
  • サービスや商品の宣伝は対象経費になる

と考えておけばいいでしょう。

注意点

通販サイトの制作も、定番の持続化補助金の投資ネタですが一つ注意点があります。
それは、収益納付の対象となり得ることです。
経費の内容、報告実施内容によっては補助金の返還対象となるので、注意が必要です。

③展示会等出展費

実際の現場においては、展示会出展費用を小規模事業者持続化補助金の対象で申請することは余り多くありません。理由は、都道府県や各自治体で別途の展示会出展専用の補助金が出ているケースがままあることです。

特に、東京都は例年展示会出展補助制度が募集されているので、そちらで申請することが多いでしょう。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
出展に関連する運搬費、通訳料など飲食を含む商談会などの参加費
選考会や審査会の参加費

④旅費

こちらの経費も、実際に申請対象とするケースはそこまで多くありません。
展示会出展の旅費は上記の通り別の補助金が対象となり得るので、調達のための調査等に限定されます。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
新製品生産のための調達に関する旅費交通費等単なる視察や研修、セミナー参加
自家用車のガソリン代

商談のための旅費がどこまで対象となり得るのか、が気になるところです。
実際には私もこの経費で申請をしたことがないので、分からないのですが…。

⑤開発費

こちらは、広報費の次の次ぐらいに計上するケースはあるかな?という印象です。
製造業の製品開発だけでなく、飲食料品の試作やシステム開発外注費なども対象となることから、意外と使うケースはあるでしょう。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
試作品開発の原材料・実際に販売する新製品の原材料費
・未使用分の原材料費
パッケージ包装のデザイン費用既存パッケージの包装資材の購入
業務システムの開発外注費
(外注費ではなく開発費)

システム開発が「業務システム」の開発外注費という文言になっています。
ソフトウエア開発全般が全てのケースでこちらに外注するか、は念のため確認した方がいいかもしれません。

⑥資料購入費

補助金に関する新たな取り組みを実施する上で必須となる、専門性のある書籍が対象となります。
とはいえ、一冊数千円程度の書籍は、わざわざ補助金の対象にする必要は無いでしょう。
経費の種類が増えるとそれだけ報告の手間も増えます。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
一冊の単価が税込み10万円未満一冊の単価が税込み10万円以上

中古の書籍は合い見積もりが必須となります。
ネット通販の商品ページでも構わないので、中古書籍を購入する場合は2社以上から見積を取得できるか確認しましょう。

⑦雑役務費

補助金の申請にかかる新たな取り組みを実施する上で必須となる臨時のアルバイト等の人件費や人材派遣料が対象になります。

イベント開催や展示会出展など、臨時のものであることが明確であることが必要です。
臨時の期間を経過後、正社員転換したケース等も対象外となるので注意しましょう。

⑧借料

補助金に関する新たな取り組みを実施する上で必須となる設備などのリース料や会場費が対象となります。事務所家賃は対象外です。

主なケースとしては、イベントやセミナーの会場費用、イベント開催にあたっての設備/機器レンタル費用などが生じうるでしょう。

⑨専門家謝金

こちらの経費は、時々申請したいというケースが生じることがあるでしょう。
例えば、中小企業診断士やコンサルタントへの謝金などが該当します。

とはいえ、仮に私が診断士としてコンサル相談費用を計上すると、報告書の作成が少々めんどくさいです。いわゆる公的機関の専門家派遣と同様の報告書・提案書を作成する必要があることから、コンサル料を補助対象経費にはしたくないですね…。

なので、私が関与するケースではこちらを計上することは余りありません。

⑩専門家旅費

こちらも、⑨専門家謝金と同様です。
経費の考え方は④旅費と同じなので、そこまで難しくは無いですが、⑨専門家謝金を計上しなければこちらも出てこないですね。

⑪車両購入費

一般に営業車などの通常の車両は経費対象として申請できませんが、ここ数年は買い物弱者対策に取り組むための移動販売車や宅配事業等は対象となっています。

買い物弱者対策が前提ですので、私の主な行動範囲である一都三県では申請は難しいところです。
地方の事業者であれば、移動販売車や宅配のための車両は検討できるでしょう。

私個人は本経費での申請支援経験がありませんので推測を含みますが、例外的経費であることから注意が必要です。公募要領にも、厳しく条件が付されています。

注意点

・取得した車両を使用して移動販売や宅配事業を実施し、収益を得ると収益納付の対象となります
(補助金の返還義務が生じる可能性)
・目的外利用は厳しくチェックされます。5年間の運行管理日誌の提出等が必要となります


(2020/3/12 追記)
2020年については、経費から車両購入費が削除されました。
移動販売車や宅配事業の車両は、対象外になると考えられます。

⑪設備処分費

こちらも、ほとんど経費として申請するケースは多くないでしょう。
「販路拡大の取り組みを行うためにスペースを拡げる必要があるので廃棄処分する」ストーリーが必要なので、注意が必要です。

⑫委託費

こちらは、どのような支出が対象となるのかちょっと分かりにくい部分があります。
後述⑬外注費と、委託費の使い分けに悩みますね。

具体的な経費の例としては、公募要領に以下の記述があります。

市場調査についてコンサルタント会社等を活用する等、自ら実行が困難な業務

外注費でも良いような…。
この例を踏まえると、以下のケースが該当するのか?と予想していますが、余りこの経費費目も使ってはいません。

  • コンサル会社への業務の委託(制作等を伴わなず、また指導や助言には当たらないその他作業全般)
    士業への依頼はたいてい助言・指導に当たるので⑨専門家謝金に該当する
  • 中小企業診断士などの士業であっても、調査レポートを作成したり分析したり、等は委託費になる

⑬外注費

最後に出てくる13番目の費目、外注費。
最後の割に、かなり申請対象となる支出が発生するケースは多いです。経験上、広報費に次いで利用するケースが多くある感覚です。

補助対象となる経費例補助対象外の経費例
店舗の内外装工事費用、看板設置工事費用単なる店舗移転の工事費用
トイレの洋式化費用住宅兼店舗の住宅部分の工事
導線改善工事費用(バックヤードも可)「不動産の取得」に該当する工事
移動販売車の内外装費用
(買い物弱者対策でなくとも可)

店舗の看板やテラス、デッキの工事、外壁塗装工事、トイレの工事など、小規模事業者持続化補助金を使って対応したいケースが多くあります。

小規模事業者持続化補助金の申請から補助の入金までの流れとは?

2020年から、通年で公募される仕組みになりました。
まだ詳細は公開されていないため推測を含みますが、以下のような流れになると予想されます。

補助金の申請から報告までの流れ
補助金の申請から報告までの流れのイメージ図

小規模事業者持続化補助金は、3~6か月ごとに採択結果を発表する予定とされています。

(2020/3/12 追記)
以下のスケジュールで今後〆切があると告示されています。

第1回受付締切:2020年3月31日(火)
第2回受付締切:2020年6月5日(金)
第3回受付締切:2020年10月2日(金)
第4回受付締切:2021年2月5日(金)
【すべて締切日当日消印有効】
 ※第5回受付締切以降(2021年度以降)については、公開次第更新します。

小規模事業者持続化補助金を活用するメリットとデメリット

「メリット デメリット」の画像検索結果

小規模事業者持続化補助金を活用するメリット

メリットは、言うまでもなく補助が降りる事ですが、他にもいくつかあるので挙げてみます。

  • 50万円(100万円への上限引上げもあり得る)の補助金が貰える
  • 採択件数が多く、裾野が広いので狙って取りやすい
  • 短期~中期の事業計画を改めて見直す良い機会になる
  • 新たな挑戦となる投資の後押しになる
  • 小規模事業者持続化補助金に初めて挑戦する事業者は相対的に採択されやすい
  • 他の補助金に比べて、ハードルが低い(申請~報告が楽で、経費の計上はしやすい)
  • 商工会議所/商工会の手厚いサポート環境がある

国や自治体の支援制度を活用する第一歩として、良い経験になるでしょう。
申請や報告の手間も含めて補助金であることを学ぶ丁度いい機会です。

小規模事業者持続化補助金を活用するデメリット

一方で、デメリットも間違いなく存在します。
補助金解説セミナーに登壇した際も、参加者の何割かは申請を見送る判断をしたケースがあります。

  • 採択が発表されるまで、補助対象経費の取り組みを進めてはならない(契約/発注してはいけない)
  • 報告作業が少々手間で、各種書類を整える必要がある

本業とは異なる部分で手間が生じることが、一つのデメリットですね。
また、採択されるまで待たないといけないということで、半年以上先延ばしせざるを得ず、見送りということもありました。

補助金の勘違いポイント

小規模事業者持続化補助金に限らない話ですが、よくある勘違いポイントを纏めました。

補助金は後払いなので、一旦全額支払う必要がある

基本的には、補助金は経費の支出が先で、報告を行った後に補助金が振り込まれる流れになります。

従って、一旦全額を自己負担で支出できる資金的余裕が必要です。
ものづくり補助金等の補助額が大きい補助金を活用するときは、銀行融資とセットで計画を立てるのが一般的です。

なお、金融機関側も、補助金が採択されていれば融資を通しやすくなります。
事前に補助金を申請すること、採択時には融資を検討していることを交渉しておくと良いでしょう。

全額補助されるケースは稀であって自己負担が必要

ごく稀に経費の全額(100%)補助となる補助金も募集されますが、基本的には1/2~4/5の範囲の補助となるのが一般的です。

つまり、何割かは自己負担をすることが前提となります。
補助金を貰えるから新しい投資をするのではなく、投資分の売上/利益に効果を得られることを計画した活用を行いましょう。

厚生労働省の助成金と勘違い・申請しても全員が補助される訳ではなく、不採択もある

最も多い勘違いが、厚生労働省が扱っているキャリアアップ助成金に代表される助成金と混同することです。
厚生労働省系列の助成金と補助金は、いくつか異なる点があるので誤解を生じないように注意しましょう。

経済産業省の補助金
(経済成長が目的)
厚生労働省の助成金
(雇用の安定が目的)
売上拡大のための投資
(設備投資や運転資金)
雇用に関する費用
(一部、設備投資などが含まれる)
事業計画の審査による合否がある資格要件を満たせば、基本的には受給できる
中小企業診断士や行政書士、税理士が専門性を有する
申請代行会社も多数存在する
社会保険労務士の法定独占業務
申請代行会社も多数存在する
(お抱え社労士がいる)

補助金の話で
「100%獲得できる」「自己負担無くタダでできる」
といった話を耳にした場合は、基本的に胡散臭い目を向けるのが良いでしょう。

小規模事業者持続化補助金を申請するにあたっては何をすればいい?

補助金は、準備が重要です。
申請の公募が始まる前からできることがあるので、事前に準備をしておきましょう。

小規模事業者持続化補助金の申請までのフロー

例年は、春ごろに募集が開始され、夏手前ごろに結果が発表される流れが定番でした。
ですが、2020年からは変わって、通年での募集となります。

従って、事業計画と経営状況に合わせて申請するということがやりやすくなりました。
まずは、予定する投資を含めた見通しを立てることが必要です。

1
年間の事業イメージを立てる

どのような投資を行い、どのようにして売り上げを立てるか、事業計画のイメージをまずは立てましょう。当然、現状が分かる経営数字が必要になるので、決算書や試算表も準備が必要です。

2
公募開始に合わせて、支援機関や専門家に相談

小規模事業者持続化補助金は加点を狙う事前準備は余り必要ありません。
公募が開始されたら、商工会議所/商工会や支援機関の経営相談窓口に相談しましょう。

こーめい君や司馬先生が回答してくれるE-SODANもお勧めです。

3
専門家と相談しながら事業計画書を作る

残念ながら、公募要領に記載されている記載例では採択率はあがらないです。
専門家と相談しながら、しっかり計画を練り上げて書類を作成しましょう。

4
申請書を提出し、結果を待つ

2020年から電子申請となる見通しです。提出方法が変わるので、よく確認しましょう。

5
採択されたら、「採択の通知書」の到着を待って契約/発注

WEBなどでの結果発表の日ではなく、書類の到着を待ってから契約/発注する必要があります。

報告に関しては、2020年から恐らく変化がある見通しなので、詳細が分かり次第別途紹介します。

小規模事業者持続化補助金を申請するにあたって相談できる場所は?

まず第一の候補として、地域の商工会議所/商工会に相談するのがお勧めです。
理由は、そもそもの本補助金の立ち位置として商工会議所/商工会に支援の役割を期待していることから、他の支援機関より手厚く対応してもらえる可能性が高いためです。

本店登記先の住所から該当する商工会議所/商工会を検索することで、調べることができます。

参考となるサイトをチェック

その他の相談先候補は、以下の支援機関があります。

補助金業者って、ぶっちゃけどうなの?

こんな分かり易い悪徳業者がいるかは分かりませんが…

補助金に関する業者は、実際かなりトラブルが多いです。
不法行為上等で国/自治体から金を引っ張ることを提案してくる業者も数多くいます。
(実際に、私もその話を耳にしました)

私個人の考え方としては、小規模事業者持続化補助金程度であれば自力で申請しよう、です。
事業計画を考える丁度いい機会として、専門家の支援を受けながら作るのに適しています。

ですが、経営者が自分で作る時間は無い!という意見も良く分かります。
書類作成を代行してくれる業者も沢山いますが、気を付けるべきチェックポイントだけ紹介しておきます。

補助金業者に依頼する場合のチェックポイント

違法行為を提案されてないか
お金の動かし方に怪しさは無いか?補助金の公募要領に対して不正な提案をされてないか?を確認しましょう。よくあるケースは以下のパターンがあります。
・申請期間外の経費も裏で調整して計上しようとする
・実態と異なる経費を補助金に計上しようとする
・キャッシュバックなどで裏で返金しようとする
報告をしっかりサポートしてくれるか
補助金は採択されて終わりではなく、報告を終え、しっかり事業が稼働することが目的です。
最低でも、報告の完了までサポートしてくれることを確認しましょう。
適切に報告できなければ、補助金が降りないこともあり得ます。
補助金を使って嘘/間違い/誤謬のある営業活動をしていないか
補助金はお金が貰えるという仕組みから、誤解や嘘も含めたうさん臭い営業が跋扈しています。
SNS広告でも間違いや誤解を招く広告をよく目にします。そういう業者は基本的な知識が怪しいので避けるべきポイントです。よくあるケースはこちら。
・誰でも確実に貰えるような書き方をしている
・貰わないと損!といった表現をしている
・リスクなしを謳っている

小規模事業者持続化補助金は、使い勝手が非常に良い支援制度です。
その分、色々とトラブルも生じやすい補助金ですので、ぜひ専門家に相談しながら挑戦してみてくださいね。

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